ドイツの地で踏み出した確かな一歩
試合は結局0-1のままケルンは敗戦を喫したが、チームに変化をもたらすことの出来る存在として、長澤はピッチに立ち続けた。対パーダーボルン戦では結果には繋がらなかったが、時間の経過とともにそのプレーは次第にチームへと溶け込んでいくだろう。
冬の移籍市場での選手獲得は、どちらかと言うと即戦力補強の意味合いが強い。2部の首位を走り、チーム状況が上手く行っているケルンの場合、その意味での補強は必要ないとも言える。
そう考えれば、このタイミングでの長澤の獲得は、1部昇格後のチームを見据えたものでもあるのだろう。1部のチームのディフェンスがパーダーボルン以上であることは言うまでもない。
より厳しい戦いが1部では待っている。もちろんパーダーボルンを相手に見せた長澤のプレーはまだ可能性の萌芽に留まるものではあったが、着実な一歩をピッチに刻み込んだと言って差し支えない。
投入の時を待ちながら、真剣な眼差しで、長澤はウォームアップを続けた。
「自分がやってきたピッチとは全然違って、上の方までお客さんが入っている。そこは日本とは全然違うな」
ドイツ国内でも有数の雰囲気を持つスタジアムが、長澤の主戦場である。そのスタジアムは、1部へと、ブンデスリーガへと繋がっている。
冒険は、まだ始まったばかりだ。
【了】
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