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ブンデスリーガ・デビューを果たした長澤和輝。ケルンで踏み出した確かな一歩

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

セスク・ファブレガスのような

 45分、ブレチコがクロスを入れ、ヘルメスが頭で合わせるが、ゴールの上に外れてしまう。前半唯一と言ってもいいケルンのチャンスは、潰えた。そして後半開始早々の47分には、アルバン・メハが直接FKを突き刺し、パーダーボルンが先制する。ケルンが相手守備陣を崩せないまま、68分、長澤が、ピッチに投入された。ポジションは右SHである。

 対パーダーボルン戦を通して見受けられた、ケルンというチームの中での長澤の可能性について少し考えてみたい。

 オーストリア人監督シュテーガー率いるケルンのサッカーの特徴は、SHが少し下がり目のポジションを取り、起点を作ってゲームを組み立てていく、というところにある。例えば右SHリッセが起点となり、右SBプレチコが上がってクロスを上げることがあれば、前線へと同時に飛び込むFW、左SHにボールを供給する、といった具合だ。

この形は上手くハマればダイナミックなサッカーを展開するのだが、やや単線的にもなりやすく、今日のパーダーボルンのように丁寧に守られると行き詰まってしまう、という欠点も併せ持っている。

 そのようなケルンのサッカーの中で、タイプとしてはどこかスペイン代表のセスク・ファブレガスを彷彿とさせる長澤のプレーは、良い意味で少し異質に感じられた。

右SHに入ると、単調でシステマチックなプレーに陥ることなく、確かな技術を用いて2列目のスペースでボールを受け、捌いていく。84分には、同じく今冬に新加入したバード・フィンネに決定的なラストパスを配給するなど、少なからず決定機も演出した。

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