2013年9月の大会に五輪出場を懸けていたが…
すでに34歳だったイルハンは、激しいトレーニングの中で、自分に出来ること、出来ないことを見極めた。そして、今度は自分の意志で、改めてサッカーに別れを告げることにした。
協力してくれた1860ミュンヘンのフロントに感謝するとともに、恋人であり、アイススケートのパートナーであるオリガと共に、あらたなゴールを決めた。それが「冬季オリンピック出場」だったのだ。
2人はアメリカのテキサス州ダラスをベースにトレーニングを積んでいた。専門のコーチも雇ったようだ。2013年6月にはハワイ・コナでのキャンプで、一日6キロの走り込みをしていることがtwitterに書き込まれている。
「自分を信じることだ。そうすることで、時に人間は才能以上の力を発揮することがある。トルコにはこんな諺があります。あなたが自らを信じるならば、あなたはその工程の半分をすでに終えている、と」
ソチ五輪の選考会は、刻一刻と迫ってきている。9月25日から28日にかけて、ドイツのオーベルストドルフでフィギュアスケートの国際大会「ネーベルホルン杯」が開催される。この大会が、2人の未来を決める。イルハンの新たなるチャレンジが実を結ぶかどうか、見守りたい。
(編注:2人は上記の大会で19位に終わり、五輪出場は叶わなかった)
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