攻撃のキーマンとして期待できる柏
今季の加入選手で、最も注目すべきは甲府から獲得した柏好文だ。本来は右サイドが主戦場ながら、広島へ加入後は左サイドでもトレーニングを積んでいる。
昨シーズン安定感を欠いた左サイドにドリブルが武器の柏が収まれば、縦への突破はもちろん、カットインからのシュートやアシストなど、苦しい時間帯でも単独で局面を打開するシーンが見られるだろう。運動量も豊富で、消耗の激しい広島のアウトサイドでも適応でき、34歳になるミキッチに代わってサイド攻撃のキーマンとなれる。
さらに、左サイドには立正大淞南高校から高橋壮也を獲得。2年生時の12年全国高校選手権でベスト8入りに貢献した左SB。島根県出身で、広島の育成機関であるサンフレッチェくにびきJr.ユース出身のため、憧れのクラブへの加入に意欲十分だ。
仙台から加入した林は、昨季セーブ率で西川に次ぐリーグ3位の75.8%を記録するなど、セービング力に定評がある。林にとって広島はプロ1年目の01年から04年まで4シーズン在籍した古巣。
出場機会が無く移籍の道を選んだが、その後A代表にも選出されるなど大きな成長を遂げて、10年ぶりの古巣に「言葉で言い表せないくらいうれしかった」と意気込んでいる。
ボランチには、徳島から柴崎晃誠を獲得。川崎F時代の2011年にはA代表に選出され、昨季は徳島のJ1昇格に大きく貢献した。強力なミドルシュートを持ち、的確なポジショニングと正確なパスでゲームを作り、守備での貢献にも期待できる柴崎の加入はACLを並行して戦う上で大きい。さらに、大分に期限付き移籍していた丸谷拓也も復帰。大分ではナビスコ杯の鳥栖戦でプロ初のハットトリックを記録するなど成長した姿を見せた。
バックアップに不安があったDFには、韓国大学サッカー界No.1と言われるビョン・ジュンボンを獲得。フィジカル能力に加え、足下の技術にも優れるCBで、攻撃の組み立てにも参加できる。
その他、皆川と茶島が大学から新卒で入団。大谷、宮原、川辺がユースから昇格。川辺は、すでにトップチームで3試合に出場している。