即戦力を確保も、西川放出は痛手か
森保一監督の元、最終節で劇的な逆転優勝を勝ち取った広島。攻撃面では、総得点数が12年の63から51に12得点も減少。その一方で、守備面での成熟が見られた。
森脇良太が浦和レッズへ移籍した穴は塩谷司が完璧に埋め、水本裕貴、千葉和彦とともに3バックが全試合出場。守護神・西川周作が抜群の安定感を見たことや、苦しい時間帯にはチーム全体で耐えきる我慢強さを見せてリーグ最少の29失点に抑えた。
また、森崎浩司が負傷や体調不良に苦しむ中で、石原直樹が活躍。鹿島アントラーズとの最終節では、優勝を決める2ゴールを決めるなど自身初の二ケタ得点となる10得点を挙げて連覇に貢献した。
今季の補強では、甲府の柏を争奪戦の末に獲得。主力が安定しながら、控えの層が薄かったDFラインとボランチにもビョン・ジュンボンや丸谷といった計算できる選手を獲得し、選手層は厚くなった印象だ。
その一方で、西川が浦和へ移籍。昨季33試合でゴールマウスを守って28失点に抑え、セーブ率でもリーグ2位の76.9%を記録した守護神だけに放出は痛い。仙台から代表クラスの林を獲得し、傷口は防いだ。しかし、林は優秀なGKだが西川とはタイプの違う選手。フィットするかどうかは注目ポイントだろう。
その他、中島浩司が引退。大崎が徳島に、横竹が鳥栖、西岡が愛媛へ完全移籍。鮫島が長野へ、キム・ジョンソクが熊本、岡本が鳥栖、イ・デホンと井波が長崎へ期限付き移籍。また、東京Vから獲得した吉野は期限付きで東京Vに残留した。
【次ページ】攻撃のキーマンとして期待できる柏