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長期的な若手育成プランにサポーターは反発。復活を期すマルセイユの変革を阻む“温度差”

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

人気クラブの進む道

 国内の優秀な若手を育てるチーム作りは、大金を投じて国外からスター選手を集めるPSGやモナコとは対照的で、意義を感じられるものだ。しかしせっかくそのような志があっても、環境が整っていなければ計画はうまくは運ばない。

 昨年12月、17節を終えて8勝3分6敗、チャンピオンズリーグ全敗という成績で前任者のエリ・ボープ監督は解任された。スポーツダイレクターのジョゼ・アニゴが暫定的に後を引き継いだが、いま現在もまだ現職におさまっている。

 アニゴに代わってからは、リーグではモナコ戦の1敗しか黒星を喫していないが、両カップ戦からは敗退。これで今季の無冠が(ほぼ)決定したことで、サポーターの空気もさらに悪化してきた。

 今は我慢の時期ととらえて、時間をかけたチームの熟成を見守ることができたらよいのだが、今後もPSGとモナコの2強時代が続くなら、マルセイユは出口のないトンネルに立たされ続けることになるのだろうか?

 いや、フランス一の人気、実績を誇ると豪語するなら、資金力を武器にする2強に、地道な補強で匹敵できるところを見せつけてもらいたい。

 それをやってのけた時こそ、マルセイユは文句無しにフランス一の称号を得ることになるのだ。

【了】

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