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クロス偏重のマンUスタイル、現地識者が非難も危機感足りぬ指揮官「運に見放された。できることすべてやった」

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「今のユナイテッドのプレーは見抜かれている」

 しかし、本来勝ち越し弾を決めてから投入すべき守備的選手のカードを切れず、またしても不運がデイビッド・モイーズ監督を襲った。奇しくもロスタイムは5分。

 本来であればユナイテッドに有利となるはずの「ファーギータイム=ユナイテッド前監督がチーム劣勢時に審判団に圧力をかけて不自然なロスタイムが加算される意」とはならず。終了間際に同点ゴールを献上するとスタジアムは静まり返り、試合終了の笛が鳴ると、会場はブーイングに包まれた。

 モイーズ監督は、「今季はこれまで運に見放され続けているが、これ以上最悪な結果はない。試合は完全に支配していたし、作った決定機を数えれば楽に勝っていた。できることはすべてやったが、数回の守備的ミスが致命的となった。結果が思うように付いて来ないため、選手たちは傷ついている」と話した。

 BBCのインタビューでは、質問の最後に何気なく「解任危機に瀕している監督の一人と感じるか?」という質問を受けると、「ただ(シーズン)6ヵ月目を迎えたと感じているだけ」と苦笑いで応えた。

 BBCのプレミアリーグ・ハイライト番組「マッチオブザデイ」の解説者は試合をこう分析している。

――マーティン・キーオン氏(元アーセナルDF/イングランド代表)

「今のユナイテッドのプレーは見抜かれている。リーグ首位のチェルシーはアザールやウィリアンといったサイドの選手が中央へ入り込み、攻撃時に選手がポジションを入れ替えてパス交換をしているが、ユナイテッドはボールをサイドに集め、幾度となくクロスを上げているため、意外性に欠けている」

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