チャビの寄稿「ルイスへの手紙」
リーグ戦での単独首位を手にした後、チョロ・シメオネ監督は、試合後の記者会見で「ルイスも天国で満足していることだろう。アトレティコのユニフォームを着て」と話したように、国内ではアトレティコ・マドリーで二度に渡り監督を務めたこと、アトレティコで選手時代を過ごしたこともあり、アトレティコにとっても関わりの深い人物だった。
とはいえ、スペイン代表以外にも、エスパニョール、オサスナ、ベティス、バルセロナなど、国内の様々なクラブチームも率いているのは周知の事実。
通常、サッカー界の人物が亡くなっても、試合前に1分前の黙とうをささげるかどうかは、クラブサイドに委託させられるが、今回はスペイン・サッカー協会が、国内で行われる全スタジアムで試合前の黙とうを「推奨」したほどだった。
カンプ・ノウで、特に感情的な表情を隠せずにアラゴネスの映像を見つめて黙とうを捧げていたのは、チャビ・エルナンデスだった。チャビは今週、スペインの一般紙「エル・ムンド」紙に「ルイスへの手紙」と題した記事を寄稿。
そこには、チャビが苦しんでバルサでもスタメンを与えられていなかった時、当時の代表監督だったアラゴネスが自分を信じてくれたこと、代表の手綱をとれと言われ、代表の中盤を任されたこと、サッカーについて語り合う時はきりがなく、代表合宿でも部屋を訪ね、何時間も部屋でサッカー談義を重ねたこと、チャビが重傷の負傷を負った時、バルセロナまで足を運び、心配してその様子をみに来てくれたこと、など、アラゴネスとの思い出、その思いがあふれていた。
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