トップチームの選手と練習することも
チームは敗北を喫することとなったが、丸岡は早くもチームの軸としての顔を覗かせ始めている。ロングフィードとは別の持ち味である、運動量を主体とした2列目からの飛び出しを観ることはあまり出来なかったが、それはまたこれから、といったところだろう。冒険は、まだ始まったばかりだ。
もちろん丸岡は、現状には全く満足していない。
「もう僕自身、まだまだこれから。試合も負けたし。これからトレーニングを積み重ねていって、ドイツの環境にも早く慣れるように、しっかり頑張っていきたいです」
普段のトレーニングは、U-23とトップチームを行き来する。
「この前、フンメルス選手とは一緒に試合に出させてもらって。後ろから迫力があって、すごく信頼出来る、本当に後ろを任せられるような、凄いオーラがありました」
ドイツ代表にも名を連ねるCBは、その存在で丸岡に大いに刺激を与えたようだ。
視線の彼方には、そのマッツ・フンメルスが主戦場とするジグナルイドゥナパークがある。
「ここ(ドルトムントⅡ)でしっかり活躍して、トップチームで出られるように、そこに、早く近づけるように、自分自身やっていきたいです」
1.FCヘルデンハイム戦、スタンドには猛将の姿があった。色あせた緑のダウンジャケットにブルー・ジーンズ、くたびれたプーマのスニーカーを履いた男は、猛禽類のような目で絶え間なくピッチを睨みつけていた。
ユルゲン・クロップは、いつでも新戦力に飢えている。
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