“高さ”という武器はあるが…
高さでは彼を超える選手は日本のどこにもいない。いいタイミングでクロスやハイボールが来れば、1点に直結するプレーができる。それはハーフナーの絶対的な強みだ。けれどもザックジャパンの1トップにはそれ以外に求められることがかなり多い。
前から相手のチェックに行ってパス出しのコースを制限したり、2列目のところにサポートに行ったりと守備の負担は大きいし、本田圭佑や香川、岡崎ら2列目のゴールチャンスをお膳立てする役割もある。
そういう部分も含めた総合力では、彼はどうしても見劣りする部分がある。だからこそ、ザック監督はその後、柿谷曜一朗や大迫勇也ら若い世代のFWに目を向けることになったのだ。
ハーフナー自身は今季まで5点にとどまっているが、フィテッセはオランダリーグで22試合を追えて3位とチームへ貢献している。パフォーマンスも悪くないだけにブラジル行きの可能性はまだ残されている。
ただし、彼は“高さ”という他の選手にはない武器を持っているものの、それがザックジャパンの武器となっていないのが現状だ。ザック監督の求めるFW像に自らを重ね合わせるのか、あるいは“高さ”に磨きをかけるのか――。いずれにせよ、メンバー入りするにはもう一皮剥ける必要があるだろう。
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