「自分の課題はもうちょっと前でボールが収められるようにすること」
しかしドゥシャンベ・セントラル・スタジアムのピッチは芝生のところどころが剥げる最悪の状態。もともと足元のスキルに課題を抱えるハーフナーのところでボールが落ち着かず、日本は前線でタメを作れない。
そうなると、岡崎や香川真司もなかなかゴールに迫れない。相手のスキを突くカウンターで今野泰幸が1点を先制したものの、前半はいい内容とは言えなかった。そこでザック監督は後半11分にハーフナーに代えて前田を導入する。
前田の方が前線でしっかりと体を張ってボールをキープでき、前からボールを追ってくれるという期待から交代に踏み切ったのだろう。その狙い通り、前田は久しぶりの国際試合でいい仕事を見せる。
岡崎の2点目が入った後の後半37分、自らゴールを決め、ここまでの鬱憤を晴らす。この前田の1点がその後のハーフナーの位置づけを少なからず左右したといっていいだろう。
「自分はとりあえず前でしっかり味方にスペースを空けて、ボールが来たら収めるっていうのを第一に考えてやりました。でも、やっぱりうまくいかない時はうまくいかない。それが今日だった気がします。
結構、間のびもしてたし。ちょっとやりにくい部分もあったんで。だけど、必死に頑張ってました。どんなピッチであろうとサッカーをやることには変わりはないし、こういう中でも結果を残せるように頑張りたいです。
自分の課題はもうちょっと前でボールが収められるようにすること。それともっとゴールに絡めるようにしたいです」とハーフナーは言葉少なだったが、自分に何が足りないのかを明確に理解しているようだった。
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