「国を背負って戦うのは本当にいい経験」
オランダ出身で元マツダ(現サンフレッチェ広島)や名古屋グランパスなどでGKとして活躍し、のちに日本国籍を得たディド・ハーフナーの長男として生まれ、10代のころから長身ストライカーとして名を馳せてきたハーフナー・マイク。
その彼が大きく飛躍したのが2009年途中にレンタル移籍したサガン鳥栖、そして2010年から2シーズンを過ごしたヴァンフォーレ甲府だった。鳥栖時代はシーズン中の移籍ながら15得点を奪い、甲府ではJ2だった2010年に30点、J1昇格後の2011年に17点を挙げ、一躍脚光を浴びた。
日本代表のザッケローニ監督も世界に通じる高さを持つこの男に注目、2011年8月に札幌で行った国内組だけの強化合宿にまず抜擢。しっかりと能力を確かめた。直後の日韓戦には呼ばなかったものの、9月に始まった2014年ブラジルW杯アジア3次予選の北朝鮮・ウズベキスタン2連戦にいきなり追加招集。2試合連続でジョーカーとしてピッチに送り出した。
1点を先制され、苦境に追い込まれたウズベキスタン戦ではハーフナーの高さを有効活用した攻めで流れを引き寄せ、岡崎慎司の同点弾につなげた。「やっぱり国を背負って戦うのは本当にいい経験。これからもまた選ばれるようにしっかりと頑張りたい」と本人も手ごたえをつかんだ様子だった。
そのハーフナーがひと際光ったのが、10月のタジキスタン戦だった。彼自身は「流れを変えるのが途中から出る人の仕事。自分の特徴を生かしたり、味方のためにスペースを開けたりすることを心掛けたい」と切り札に徹する姿勢を見せていたが、この日は意外にもスタメン入り。李忠成がゴールを奪えない状況が続き、ザック監督としては違うタイプの1トップを起用したい意図があったのだろう。