「何とか子供たちに会いたい」
――表で陣頭指揮はとらないけど、本田選手のフィロソフィーはしっかり息づいている。
「でもこの間、帰国してる時にちょうどスケジュールが空いてタイミングが合ったのでスクールに顔を出してくれました」
――確かニュースになってましたよね。
「前日は本田と東京にいたんですよ。大阪に帰って、スクールに出れるとわかったのが夜の23時か24時ぐらいだったので、新幹線はもうない。でもいろんな予定を組むんだったら、その日の夜に帰んなきゃダメだ、ゴーだって本田が言って。
それで車を手配して大阪に向かうことになり、車の中で現場担当者に電話です。明日親御さんに電話しても遅いから、非常に迷惑かもしれないと思いながら『こんな夜分に大変申し訳ありません、明日本田がスクールに来ます』と全員に伝えてくれと」
――すごい展開ですね。
「もともとその日のスクールは井高野で予定していたのですが、上新庄の子どもにも全員伝えました。これから何十校になっていけばそういうことは難しいんですけど、今だけは何とか不平等感をなくして、もう全員に声をかけてくれと。
本田は何とか子供たちに会いたいと。もう情熱だけで。結局本田とサッカーをできる子供たちは時間によって違ったのですが、みんなと写真撮ってサインして、頑張れよって。子供たちにとってはすごくいい思い出になったはずです」
(その3に続く)