「自分たちでもっと上手くなるために考えて欲しい」
――自分を律すること、夢を持つこと、ほかにコンセプトはありますか?
「常に子供たちに自主性を持って下さいって言うんですよ。僕たちのスクールの指導法では指導者が決めつけることはしない。いまのプレー違うよ、ワンツーの方が良かったじゃん、そういう(指導者の答えを先に押しつけてしまう)コーチって自分のこれまでの選手経験でも実際にいたんです。
勝つためには仕方ないのかもしれませんが、僕たちは子供たちにもっとサッカーを好きになって欲しいし、自分たちでもっと上手くなるために考えて欲しいって思っています。
もし決めごとを作ったら、それは僕たちの拙い知識の中での答えになってしまう。子供たちはもっとすごい発想や感性を持っているかもしれないのに。僕はサッカーにおいてああしろ、こうしろと言われてきた人間だったので、海外に出た時にすごく困ったんです。
自分で考えないと生きていけないから、そこで初めて今までのやらされるサッカーからの自立を覚えたんです。でもそれでは遅い。だから子供のうちから考えることを身につけさせる。
そうすると、自分でこうしたいと思えるようになるんです。思えるってことは、自分の夢を持てると。そうしたら自分の道筋も自分で考えるようになります。だから自主性を持たせることイコール夢を持つことなんです」
(その2に続く)