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【特別対談】加部究&幸野健一:理不尽が横行する高校サッカーの非常識。真の「プレーヤーズ・ファースト」が浸透するために必要なこと(その3)

シリーズ:【特別対談】加部究&幸野健一 text by 森哲也 photo by Kiwamu Kabe , editorial staff

練習しすぎると「雑」になる

――高校で燃え尽きちゃう人って多いですよね。

加部 分不相応な注目の集め方をする大会というのは、どうしても歪みが出てきますよね。箱根駅伝にしても、結局あそこで無理をして選手が壊されてしまう。マラソン、オリンピックで通用する選手が輩出されなくなっている。故障した選手がタスキをつなぐために無理して走って、監督も止められないという状況です。サッカーも一緒だと思います。

――休息の取り方についてはどう考えられますか。

加部 昨日レイモンド・フェルハイエン氏によるピリオダイゼーション(※世界で注目を集めるコンディショニングの理論)のセミナーに参加したんですが、そこで言っていたのが、中2日以上空けないと得点も失点も増えるということです。要するに雑になってくると。

――試合で、ですか。

加部 そうです。

幸野 試合があって次の日がリカバリーなんて、プロの世界じゃ当たり前じゃないですか。でもこれが理解されていないから、しごきがなくならない。

 試合の次の日は血液の循環を促して、溜まった乳酸を散らし、栄養を摂って、傷ついた細胞を補修するという科学的トレーニングの本当に初歩的な考え方さえ覚えてくれれば、そうしたことはなくなるんじゃないですか。育成の指導者全員がピリオダイゼーションの講習を聞く義務があると思います。

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