求められる厳しい守備への対応
外国人選手にとっては異質の世界のようで、苦労するのは当たり前とも見られている。以前、外国人プレーヤーを多く抱えるインテルのバレージ助監督に話をきいたが「レベル云々はさておき、誰しもがこういう戦術的なサッカーに慣れているわけではない。ここで頭を切り替えられ、修正出来るかが、外国人選手にとっては活躍のポイントになる」と語っていた。
その点で、ポジションは違うがこの日のラミのプレーは興味深かった。インモービレに慎重にディレイを掛けたつもりが、そのスペースを使われてフェイントで抜かれ、シュートをねじ込まれる。しかしその後に彼は対応を切り替え、ガチッと体を当てて潰しにきたのだ。試合の中で現実を理解し、切り替えてきたのはさすがだった。
逆に言えば、スペースは組織で消し、個人技は体で止めて来るのがイタリアの守備の現実。これにどう対応できるかが、本田の活躍の鍵となる。モレッティのマークを華麗に外し、裏のスペースを突破した後半24分のプレーなどは秀逸だったが、こういう瞬時のキレを使った仕掛けは不可欠になって来るだろう。
傍目には愚直に過ぎた3度のカットイン失敗も、彼なりにチャレンジをし、間合いを計ろうとしていたことの証かもしれない。これが次節以降の試合でどう反映されるのか、期待することにしたい。
【了】