「本当のアウェイで自分たちのサッカーができるようにならないと」
「ピッチが悪くてもホームのようなポジショニングをしていれば関係ないと思っていた。今回もそういう意識を持って、顔を出しながらやりました。バイタルのところではもらえていたし、そこで点に絡むのは多少できたと思います。自分の得点がなかったのが残念ですね。
チャンスがあっただけに取らないと。圭佑が戻ってきても残れるように? そうだね。競争は常にあるし。ただ、自分がそれ以上何かできるってわけじゃない。自分は自分の良さがあるし、圭佑は圭佑の良さがあるから」と常に冷静に自分の立場を客観視できるのが、この男の強みなのだろう。
結局、同日のゲームでウズベキスタンが北朝鮮を下したことから、日本とウズベキスタンの上位2位以内が確定。続く北朝鮮戦は消化試合となった。慣れない平壌で長時間の入国検査を強いられ、監視付きのホテルや移動、練習、試合を強いられた選手たちはストレスがたまったはずだ。ザック監督がメンバーを大幅に入れ替えたこともあり、日本は予期せぬ敗戦(0-1)を喫してしまう。中村憲剛も不完全燃焼感をぬぐえなかった。
「覚悟はしていたけど、すごい圧力というか、今まで経験したことのないようなアウェイだった。こういう本当のアウェイで自分たちのサッカーができるようにならないと…。今回は北朝鮮のサッカーにすごい引っ張れてしまった」と反省の弁を口にしつつも、滅多にできない経験ができたのは彼のキャリアを考えても大きいだろう。
難しい状況下での戦いを幾多も経験し、出場するたびに合格点以上の仕事。また、中盤でさまざまな役割をこなせて、本田とは一味違った味を出せるのが中村憲剛の良さだ。長谷部が負傷し、香川がクラブで出場機会を失っている今、“頼れるベテラン”に頼る時期が来ているのではないだろうか。
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