感謝を示すプラカードを掲げるファンもいたが…
「ユナイテッドでの活躍は保証する。既に覚悟しているからリスクではない」とまでモウリーニョが言っても、自軍の2列目レギュラーとしては不十分だった。
対照的に、アザールは、体格で勝るアンドレ・シュールレに勝るとも劣らぬボディチェックを見せるようになった。オスカルのタックルは、仕掛けるタイミングの良さで、中盤の底に座る機会が増えたフランク・ランパードを凌ぐ。
マタがベンチからも去ったチェルシーは、アザールがドリブルでストークDF陣を翻弄し、オスカルが見事なFKで決勝点を上げて、1-0のスコア以上の完勝を収めた。その間にはモハメド・サラによる2列目補充も決まった。
スピード豊かなサラの攻撃力は、バーゼルの選手としてチェルシーからゴールを奪った、今季CL戦でファンも認識している。スタンドには、マタへの感謝を示すプラカードを掲げるファンがいた。
だが、ホームの4万人が連呼し続けたのは、放出に踏み切ったモウリーニョの名前。一線級だがプランにそぐわない「余剰人員」を、高額で、しかも奇麗に処分してみせた指揮官の名前だった。
【了】