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中田英寿伝説から本田圭佑がクラブレジェントになる要素を探る

text by 編集部 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

本田がクラブの救世主になるためには?

 その一つがゴールの重要性だ。幸いにも本田は、公式戦での出場2戦目となるスペツィア戦で移籍後初ゴールを記録している。初ゴールの重要性について、小松成美は中田のペルージャ時代のこんなエピソードを明かしている。

「(チームメートが)日本人を見ない。自分が視野に入っていなかった。笑いかけて挨拶をしたり、遅くまでご飯に付き合ったりして仲良くなろうとしたけど、次の日になると、やっぱりパスが来ない。

 練習を重ねるうちに気がついた。これはゴールしかない。ゴール以上の表現や言語はない。だから開幕戦で絶対にゴールを奪うんだと練習のときから言っていた」

 そして中田は迎えた開幕戦で、王者・ユベントス相手に2ゴールを記録。一日で中田の名はイタリアに知れ渡り、次の日から全てのパスが中田に集まるようになったという。それほどゴールというのは重要なのだ。

 さらにビッグクラブでプレーする難しさとして、いかに少ないチャンスをものにしていくのかが挙げられる。

 中田もASローマ時代には、トッティの控えとしてベンチを温める日々が続いていた。だが、優勝をかけたユベントスとの首位決戦。0-2でリードを許す展開の中、後半20分にトッティに変わって入った中田は1ゴールをあげ、さらに同点弾も演出。

 結果的にはこの引き分けが18年ぶりの優勝を引き寄せたとも言われているほどの大仕事を果たしたのだ。本当に必要な、ここにいなければならない存在になれるかどうか、それも重要なのである。

【了】

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