「トップ下は練習ではやってません」
ところが相手の開始早々の猛攻にひるんだ日本は開始早々の8分にジェパロフに先制点を許してしまう。これでシナリオが大きく狂い、日本は攻めに出なければならなくなる。駒野のクロスを李がフリーで外し、前半終了間際には李のシュートが右ポストを直撃するなど、どうしても1点が遠い。
本田不在の中盤は北朝鮮戦同様、連動性を欠いた。後半に入ると同時にザック監督は阿部を下げ、清武弘嗣を投入。香川をトップ下に置く4-2-3-1へと変更する。長谷部も本来のボランチに戻ってやりやすくなったのだろう。
後半は明らかにリズムが生まれた。そして後半20分、長谷部のパスを受けた内田のクロスにファーサイドから飛び込んだ岡崎のダイビングヘッドがさく裂。ようやく同点に追いついた。1-1のドローというのはこの日のザックジャパンにとって御の字の結果だった。
「トップ下は練習ではやってません。昨日軽く言われただけですね。ただ、チームでも今シーズンは1~2回やっているんで、イメージという意味では問題なかった。誰が入っても同じようにやろうと思ってましたし、ゴールに絡むプレーをしたかった。
ただ、もうちょっと頭を使ってゲームの動きを読んでやれたらよかったなというのはあります」と長谷部は不慣れなトップ下でプレーした複雑な心境をのぞかせた。
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