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PSG、モナコの大金投入も起爆剤にならず。移籍市場から読む、“寂しい”リーグ・アン事情

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

2強に対抗するクラブなく寂しい状況

PSG、モナコの大金投入も起爆剤にならず。移籍市場から読む、“寂しい”リーグ・アン事情
フランス代表MFキャバイエをブラン監督は欲しがっているようだが【写真:Getty Images】

 一方、もうひとつのジャイアントクラブ、PSGには今のところ動きはない。

 もう十分に戦力は備えているが、その実、先発メンバーと控えメンバーの力の差が大きく、ポジション的にも、右SBやチアゴ・モッタのバックアッパーとなるアンカー役、左ウィングは特に人材が不足している。

 ブラン監督は、フランス代表のMFキャバイエを欲しがっているようだが、ニューカッスルで主力となっている彼を手に入れるのは容易ではないだろう。(編注:その後、キャバイエのPSG移籍が決定した。移籍金は2000万ユーロ+出来高300万ユーロだという)

 ……と、予算に糸目のない2強はともかく、マルセイユ、リヨン、サンテティエンヌといった上位常連陣に、ガセネタすら上らないというのは寂しいところだ。

 彼らに予算がない、というのは至極もっともな理由ではあるが、同時に、「大金をかけて補強してまで…」という現状がある。

 今季のリーグタイトルは、ほぼPSG、ひょっとしたらモナコ、で決まりだ。この2強にチャレンジしようという意気込みと予算があるクラブは今のリーグ・アンには存在していない。

 たいした補強もせずに3位に食らいついているリールは「お見事」だが、2強が完全に抜け出した今のリーグ・アンは、ひとつのリーグに2つのコンペティションが存在している状況だ。

 マルセイユ、サンテティエンヌ、ボルドー、リヨンいったセカンドランナーたちの目標は、最高でチャンピオンズリーグ予選出場が得られる3位、もしくはヨーロッパリーグ出場権かカップ戦優勝しかない。

 その、同じ目標を競い合う彼らはチーム力も拮抗し、あえて資金を投じて無理な補強をするよりも、持てる戦力でしのごう、という横並び状態にある。

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