モイーズのスタイルでクリエイティブな選手が活きるか?
マタの移籍が正式に決まった。1月25日、推定年俸750万ポンド(約12億7500万円)で契約期間は4年半。スペイン代表MFは、「非常に興奮している。マンチェスター・ユナイテッドの新時代に貢献したい」と話して新天地での奮起を誓った。
それはいいが、モイーズ監督の「うちに足りなかった創造性とアイディアをマタがもたらしてくれるだろう」というコメントには少々むっとした。
まず思ったのは、選手がそういった「創造性やアイディア」をピッチ上で発揮するためには、それなりの戦略が必要ではないか、ということだ。
これはここでわざわざ説明するまでもないことだと思うが、モイーズのサッカーは、お世辞にもクリエイティブな選手がアイディアを膨らませられるようなものではない。
香川真司がシンプルなパスを心がけ、左サイドで縦の突破を試み、懸命にクロスを打つのはなぜなのか? そういったプレーを監督が望んでいるからではないか?
創造性、アイディアは連携から生まれるが、モイーズのスタイルはワンタッチの押し上げ、もしくはドリブラーが起点になってから、フィニッシュ能力の高いFWに「後は任せた」とクロスを放つサッカー。そんな攻撃陣に放り込まれたマタが、「周りが創造性もアイディアもある自分を使ってくれない」と、嘆く可能性はないのか。
時には古くさい英国スタイルに見えるハッスル・サッカーを選手に強いていて、「うちに足りなかった創造性とアイディア」と嘆くモイーズ監督。こういう上司はどうも好きになれないと思ってしまう。