「一番つらかったのは生活に慣れる事」
ロシアと言えば、CSKAモスクワからACミランに移籍した日本代表MF本田圭佑も4年間在籍したリーグだが、その現状は過酷なものだったとマクギーディは言う。
「モスクワでの生活は一冊の本に出来るくらいのものだった。一番つらかったのは生活に慣れる事。英国では全てが簡単にできるけど、ロシアでの生活は20年前に戻ったみたいだった。家族で生活するのが厳しい場所だったし、子供を育てられる環境ではなかった。彼らの暮らしぶりはまるで違ったし、サッカー文化も不眠不休だった。どのアウェー戦も飛行機を使っていたし、シベリアに5時半掛けて行ったこともあった」
2000年代にロシアの好景気を受け、各クラブに大手企業の有力資本が参入すると軍資金も潤い、欧州強豪リーグからの大物選手獲得も流行した。
「ロシアのトップチームは軍資金を持っていたからレベルは高かった。ゼニトはフッキ(ブラジル代表MF)に5000万ユーロ(約72億5000万円)、ビツェル(ベルギー代表MF)に4000万ユーロ(約58億円)を使った」
だが、「2年目以降が特に辛かった」とマクギーディが語る通り、昨夏にはカメルーン代表FWサムエル・エトオが在籍2年でアンジからチェルシーへ移籍。欧州トップリーグで最も背が高い身長203センチのコートジボワール代表FWラシナ・トラオレも今冬、在籍3年でアンジからフランス1部のモナコへと移籍した。
このような背景を踏まえると、本田がロシアで培った4年間の選手生活は様々な意味で内容の濃いものだったのかもしれない。
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