スペイン代表で出番が少ない理由
スペイン代表であまり多くの出番を得られていないのは、シャビやアンドレス・イニエスタを筆頭に、マタのようなタイプの選手がたくさんいるという事情も大きい。そうなると、むしろ必要とされるのは異質な特徴を持つ選手だ。
スペイン人がイングランドで活躍している理由も同じで、フィジカル重視のサッカーの中にスペイン人が入ると、急激に回転の効率が良くなる。ベニテス時代のリバプールにおけるシャビ・アロンソ、アーセナル時代のセスク、そして、チェルシーのマタ。
彼らを筆頭とするスペイン人は、プレミアリーグのサッカーの質に大きな変化を与えたキープレーヤーと言える。
さてマタがどんな選手かイメージできただろうか。攻撃陣の活性化として期待されている選手で、低迷するマンチェスター・ユナイテッドをどれだけ救うことができるかは大きな注目を集めるだろう。
フィジカル重視のプレミアリーグにおいてアクセントになってきたスペイン人選手。マンチェスター・ユナイテッドはモイーズ政権下でダイレクトサッカーの色が濃くなり、マタのような異質な選手が入れば、改善する可能性はある。
だが、現地点ではイングランドメディアをはじめ懐疑的な意見が目立つ。というのは香川と似たタイプの選手がモイーズ監督の下で活躍できるとは思われていないためだ。香川を使いこなせない監督が同じタイプのマタを上手く起用できると想像はしにくい。
さらに言えば、チェルシーでマタは守備での貢献度の低さからベンチを温める日々が続いた。これは香川が不遇となっている理由と共通しているのではないか。
マタへの期待は大きい(60億円以上という移籍金の大きさからも明らかだ)。だが、その期待に十分に応えられるかどうかは不透明と言えるだろう。
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