オフザボール時のボールの受け方がうまい
チェルシーからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍したフアン・マタ。香川真司とポジションがかぶる選手であることから日本でも大きな話題となった電撃加入だが、果たしてマタはどんな選手なのだろうか。
選手分析に定評のあるサッカーライターの清水英斗氏は昨年11月に発売された著書サッカー好きほど知らない戦術の常識』(カンゼン)の中でマタについてこう分析している。
エデン・アザールがプレミアに来たときは香川真司との比較も話題になったが、同じチェルシーのマタはより香川に近い。ただし、スペースへ飛び出してパスを受ける回数と、足元で受ける回数の割合は、前者がストロングポイントの一つである香川に対し、マタは後者のほうが特徴的だ。
アタッカーではなく、プレーメーカーとして働くタイプといえるだろう。アザールをチェルシーのエンジンだとすると、マタはその動力を伝えるギアだ。彼がいなければ、チェルシーという車は本当に効率の悪い、燃費のよくないチームになってしまう。
プレーメーカーとして機能するためには、卓越した技術ももちろんだが、マタのところでボールを落ち着かせるためのレシーブ術も重要になる。マタはオフザボール時のボールの受け方が非常にうまい。
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