フォルランがもたらすもの
さて、まもなくフォルランがやって来る。
フォルランは2010年W杯でMVPを獲得し、大会最多タイとなる5得点を記録した正真正銘のストライカーだ。あのリーガ・エスパニョーラでも2度の得点王に輝いており、08-09シーズンにはラスト5試合で9得点を記録するなど、終盤の固め取りは圧巻であった。
フォルランがもたらすものは間違いなく大きいだろう。山口が指摘した通り、フォルランの魅力は両足から繰り出されるパンチ力と、距離を問わないそのシュートレンジだ。
今シーズン、ギラヴァンツ北九州から加入したGKの武田博行も、昨シーズンのヴィッセル神戸戦で自身がポポに喫した直接FKを例にあげ、傑出した外国人選手の存在がGKにとっても成長の一助になると話している。
セレッソ大阪の選手だけではなく、対戦相手にとっても学ぶものは少なくない。昨年、多くの新規ファンを獲得したセレッソ大阪。そんなクラブがフォルランを獲得した背景には、きっと「このムーブメントを一過性のものにしない」という意味合いもあったことだろう。これまで、ガンバ大阪というライバルチームの後塵を拝すことが多かったセレッソ大阪は、次のレベルへと進もうとしている。
そしてそれは、Jリーグも同じであるべきだ。
今年はW杯イヤーである。国民のサッカー熱は次第に大きくなり、Jリーグへいかに動員するかが注目されている。2ステージ制という変革期を直前に控え、Jリーグはこれ以上ない援軍を手に入れたのだ。
世界中にJリーグを発信していくべきであり、Jリーグの価値を訴求する千載一遇のチャンスである。まだまだ課題の多いJリーグのPR力が試されそうだ。
【了】