山口「セレッソになかったフリーキッカーという役割も」
コーチたちが私服に着替えてクラブハウスを後にする頃、ファンサービスの列は残る選手は2人だけになっていた。そのうちの1人が山口蛍だ。髪の毛をブロンズ色にした山口は、今シーズンから登録名を「螢」から「蛍」へと変更している。
山口といえば、海外サッカーに精通していることでも知られている。香川真司が出場したUEFAチャンピオンズリーグも、深夜に起床して観戦していた。山口はフォルランについて「何でも出来る選手。右足も左足も使えるし、これまでのセレッソになかったフリーキッカーという役割もこなすことできる。得点源としてかなり期待はできる」とそのイメージを語った。
「セレッソは個人のレベルが高い。スター選手が加入するからといってみんながやすやすポジションを渡すわけではないから、みんなさらに頑張ると思う。チームの競争も高くなって、個々のレベルも高まっていけば」とも話しており、チームにとってもほどよい刺激となっているようだ。
柿谷「ピリピリしてるねんこっちは」
最後にクラブハウスへと帰ってきたのは、やはり昨年大ブレイクを果たした背番号8、柿谷曜一朗だった。柿谷は昨シーズン、J1で21得点を記録し東アジアカップでフル代表デビューを果たすと、欧州遠征でも活躍。世間的にも大きく認知される1年となった。
そんな柿谷は、右手にプレゼントの袋をいっぱいにして記者の前へと現れた。練習が終わってからはおよそ1時間が経過している。その間、柿谷は爽やかにファンとの交流を楽しんでいた。
柿谷のコメントは、これまでの選手のものとはいささか雰囲気が異なっていた。「(フォルランとは)ポジションが被っている。ベンチや」と冗談めかしくその緊張感を口にし、「今からしっかりアピールしなければならない。ピリピリしてるねんこっちは」と付け加えた。
また、フォルランの加入に対する率直な感想を求めると、「あのような世界でプレーしていた選手とプレーできるのは全員にとっていいこと」としながらも、「同じチームになる以上は試合に出ないと」とやはり危機感を強調。「自分とフォルランが出るなんて決まっていない。新しい監督なのでみんな頑張るだけ」と締めくくった。
ちなみにこの柿谷、ファンから受け取ったプレゼントはクラブスタッフなどには渡さず全て1人でクラブハウスへと持ち帰るらしい。歩く度にプレゼントの袋と袋がこすれる音が鳴り響くのを見て、こういった細かな気遣いができるのも、彼が人気である理由なのだと感じた。