“W杯MVP”J加入という衝撃
その日、日本のサッカーファンはとある男の話題で持ちきりだった。
日本時間23日早朝、ウルグアイ代表FWのディエゴ・フォルランが自身のTwitter上でセレッソ大阪に加入する意向を発表したのだ。フォルランは移籍の第一報を自動翻訳した日本語でツイートし、その呟きはまたたく間に拡散。
多くのサッカーファンは衝撃のニュースで目覚めを迎えることになった。セレッソ大阪からの公式発表こそないが、クラブスタッフはすでに事実関係を認めている。まもなく来日する予定で、早ければ来週にもトレーニングに合流するという。
これは夢ではない。2010年、南アフリカの地で八面六臂の活躍を見せた男が、まもなく日本に上陸し、私たちのJリーグで戦うのだ。
叶わぬ恋に思えた。何せ、あのフォルランである。W杯という世界最高のイベントを半年後に控え、遠く離れた日本でプレーするのは、決してリスクが低い選択肢ではない。地球の裏側で暮らす家族にとっても、原発事故が完全に収束したとは言えない環境に最愛の人を送る決断は、簡単なものではなかったはずである。
しかし、恋は成就したのだ。セレッソ大阪サポーターは歓喜し、他クラブのサポーターもフォルランの加入を好意的ないしは興奮気味に受け止めていた。まさに、日本のサッカーファンがフォルランに“湧いた”1日であった。では、セレッソ大阪の選手たちはフォルランの加入に何を感じたのだろうか?
電撃移籍が発表された数時間後、セレッソ大阪のトレーニンググラウンドで選手たちに直撃した。
【次ページ】南野「自分のプラスに変えていきたい」