「コイツは上手にドイツ語を話せるんだぜ!」(ジョーンズ)
強い日差しが注ごうが、氷のように冷たい雨が降ろうが、内田篤人の髪型はいつもキマっている。そう、彼の顔に浮かぶ微笑みのように。シャルケの小柄な日本人選手が、イヤな雰囲気を漂わせていることはまずない。そのムードが、チームメートをしびれさせるのだ。人気者の内田は、シャルケの誰とでもうまくやっていける。
シャルケで中盤の守備を司る「タフガイ」ジャーメイン・ジョーンズは、インタビューを受けている25歳のサイドバックを見つけると、腕に絡め取って、記者に笑みを向けた。「コイツは上手にドイツ語を話せるんだぜ! 言い訳なんか、許しちゃダメだ」。
「ウッシー」と呼ばれるルール地方の人気者は、首を振って同僚の発言を否定した。もちろん、ドイツ語が分かればこそ、である。
内田はもちろんドイツ語を理解できるが、ドイツ語だけで行われる会話は彼には難しすぎるものだ。ゲルゼンキルヒェンでの生活が3年目に入っても、それは変わらない。
「言葉を学ぶということに関して、彼は一番頑張っている中の一人だ」とのシャルケのスポーツディレクター(SD)、ホルスト・ヘルトのコメントがメディアに紹介されたことがある。内田は「話し合いでは強く意見を言う」し、「ユーモアも秀逸」とのことである。