まだ整備すべき点が多々あるミラン
ミランの布陣は2ボランチを境に前と後ろに分断。こうなると、パスサッカーもあったものではない。ミランの攻撃陣は中盤の密集を避けサイドへと張るが、休養を取らせたモントリーボの不在に加えてDFラインも押し下がり、ビルドアップは不可能。
前線自体に動きがなく、パスの出しどころをさらに減らし、パス出しに困るノチェリーノやデ・ヨンクがボールを失いカウンターを掛けられる始末。やがてミランは守備まで緩慢となってしまい、後半33分に逆転を許した。
U-20W杯のシルバーボール、ニコ・ロペスのドリブルシュートは見事だったが、それに至るまでの縦パスはたった一本。あまりにもルーズだった。
後半37分、この状態で本田を投入しても、チームが崩壊した状態ではもはや出来ることはない。終了間際にボレーを狙ったのが精一杯だった。
DFラインは押し上げきれるのか、そして前線の4人が、どれだけ中盤をサポート出来るのか。本田をトップ下に使ったポゼッションサッカーをする上で前提となる戦術的な条件が、まだミランには整っていない。
本田自身にも、コンディションを上げるとともに、他の前線の選手とスムーズな連係が早期に築けるかという課題が残っている。ファンにとっては、しばらく忍耐が続きそうである。
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