本田抜きの前線。機能したのは20分まで
先制点は、理想に近い形で取れた。6分、トップ下のカカーが、右に展開したビルサに展開。そこからの右クロスに2人がゴール前に入り、バロテッリが押し込んだ。3枚の攻撃的MFのうち一人がサイドへと大きく幅を取り、相手DFラインを横に押し広げたスペースを味方が活用する。ベローナ戦では上手く機能していなかった動きだ。
地元記者の中には、本田をトップ下ではなく、サイドとしてプレーさせるように推す声もある。しかしタソッティ助監督は21日の会見で、「サイドが出来る汎用性は本田よりもカカーの方がある」と語っていた。もし本田が、こういったオフ・ザ・ボールの戦術的なランニングがこなせない場合は、ポジション争いの上では不利になるかも分からない。
だが、カカー、ロビーニョ、バロテッリにビルサを加えた前線が機能したのはそこまでだった。インテンシティが持続したのは20分ばかり。
その後はミランの選手たちより全体的に若く、戦術的な規律の取れているウディネーゼが中盤で猛烈にプレスを掛けていく。そんな彼らを前に中盤で繋がらなくなったミランは前半終了間際、相手の速攻からPKを献上し同点に追いつかれた。
【次ページ】まだ整備すべき点が多々あるミラン