終盤に二転三転、PK戦で決着【写真:goal.com】
キャピタル・ワン・カップ準決勝セカンドレグのマンチェスター・ユナイテッド対サンダーランドの一戦が22日行われた。90分間はユナイテッドが1-0のリードで終え、延長戦は両チームが終盤にゴールを奪い合って1-1。最後はPK戦の末サンダーランドが勝利を収め、決勝進出を果たした。ユナイテッドMF香川真司は先発し、61分にベンチに退いた。
ファーストレグを1-2で落としており、勝利が必要なユナイテッドは序盤から積極的にゴールを狙いにいく。6分にはジャヌザイのクロスに合わせたチチャリートのヘッドが惜しくもマンノーネの好守に阻まれた。
14分には香川からの縦パスでチチャリートが抜け出そうとしたが、トラップの際にハンドの判定。なかなか先制点を奪えずにいると、逆に19分にはサンダーランドが自陣から丁寧にパスをつなぎ、最後はボリーニのミドルでユナイテッドのゴールを脅かした。
30分過ぎまでを無失点に抑え、時折チャンスがあれば相手ゴールに迫る。サンダーランドにとってはプラン通りの立ち上がりだったと言っていいだろう。だが37分、ついに均衡が破られる。
エリア内の右サイドでボールを受けた香川がファーへ絶妙なクロスを上げると、フレッチャーのシュートがポストを直撃。これはゴールにはつながらなかったが、その後のプレーで得たCKからユナイテッドに待望の先制点が生まれた。ジャヌザイのCKからのボールを中央でウェルベックが競り合うと、ファーにこぼれたボールに合わせたのはエヴァンズ。完全にフリーになっていたエヴァンズのヘディングがマンノーネを破った。
セカンドレグの90分終了後にアウェーゴールは適用されない規定のため、決勝進出を決めるにはもう1点が必要なユナイテッド。後半立ち上がりにはジャヌザイやラファエウが積極的にゴールを狙っていくが決まらない。
61分には香川に代えてバレンシアを投入。69分にはそのバレンシアが右サイドを駆け抜け、中央のジャヌザイに決定的なパスを送ったが、フリーで放ったシュートはゴール左に外れた。後半にたびたびゴールを狙っていたジャヌザイだが、シュートのほとんどは枠を捉えることができなかった。
75分過ぎからはサンダーランドが押しこむ時間帯もあり、ジョンソンのシュートやマルコス・アロンソの難しい位置からのボレーでゴールを脅かしたが決まらず。アディショナルタイムのジャヌザイのFKもマンノーネにキャッチされ、そのまま2試合トータル2-2で試合は延長戦にもつれ込んだ。
延長終了後にはアウェーゴールが適用されるため、この時点で優位に立ったのはユナイテッド。延長前半にはチチャリート、ウェルベックなどのシュートでさらに決定的なゴールを狙っていったが決まらなかった。逆にゴールが必要なサンダーランドも延長戦を通して積極的な戦いを見せたが、あと一歩ゴールには届かず、そのままタイムアップを迎えるかに見えた。だが、終盤に予想外のドラマが待っていた。
延長後半終了間際の119分、ペナルティーエリア手前でボールを受けたバーズリーが低いシュートを放つと、デ・ヘアは正面へのボールを難なくキャッチするかに見えたが、これを痛恨のファンブル。デ・ヘアの腕からこぼれたボールがゴール左に転がり込み、土壇場でサンダーランドが勝ち越しに成功した。
だが、試合はまだ終わらない。アディショナルタイムの122分、ジャヌザイがスモーリングとのワンツーで左サイドに抜け出してクロスを入れると、中央で待ち構えたチチャリートが押し込む。崖っぷちから生還したユナイテッドがトータルスコアを3-3の同点とし、決勝進出の行方はPK戦に委ねられることになった。
PK戦ではサンダーランド一人目ガードナー、ユナイテッド一人目ウェルベックがいずれも失敗。さらにS・フレッチャーとジャヌザイがGKに止められ、ユナイテッドはジョーンズのシュートも枠外へ。追い詰められたユナイテッドはデ・ヘアがジョンソンのシュートを止めて望みをつないだが、5人目ラファエウもマンノーネに止められて勝負あり。PK戦2-1でサンダーランドがユナイテッドを下し、マンチェスター・シティの待つキャピタル・ワン・カップ決勝へと駒を進めた。