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モウリーニョとは圧倒的な差が。マンU低迷を招いた指揮官の人間力

シリーズ:フットボール母国の神髄 text by 森昌利 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

カギとなる人心掌握術

 ともに1963年生まれの50歳だが、味方の選手のプレーに一喜一憂し、選手とともに戦っているかのように、サイドライン上で飛び跳ねていたポルトガル人闘将の隣で、モイーズはじっと腕組みをし、やや猫背の姿勢で神経質そうに試合を覗き込んでいた。

 そして自軍の選手がミスを犯すと、すぐさまダッグアウトに振り向き、自分の欲求不満をぶつけるような険しい口調でコーチ陣に何かを言う。

 このレベルのチームになると、戦略面よりマン・マネージメント、つまり掌握力が監督の成功の鍵になるといわれるが、この日のモウリーニョとモイーズの後ろ姿を比較して、その監督としての人間的魅力の差は明らかだった。

 どっちが優れているかはあえて記す必要もないだろう。この監督の資質の差が、ドルトムント時代から続いていた香川真司の欧州リーグ連続優勝記録を「3」でストップさせる最大の原因になるのかも知れない。

【了】

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