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マンU監督への逆風も弱まる? 横行する監督解任の風潮に「待った」の声

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

プレミアリーグでは過去2年間で20人の監督が解任

 シーズン中の監督交代は今季、すでに昨季と同じ6チームに達しており、後半戦にもその数が増加する可能性は高い。プロリーグにあたる1部から4部の92チームでは、23人の監督が解任されており、就任年数が1年に満たない監督は全チーム数の半分にも上るという。

 この問題に関して、ベバン氏は「クラブ上層部に規制を加えることにより、監督交代の増加傾向を取り締まれる」とし、「監督協会は24時間体制で、監督たちの福利のために『寿命調査プログラム』を設け、彼らが直面する様々な問題に対して助言を行っている」と説明した。

 ベバン氏は「監督の安定」を成功要素としており、昨季26年の監督キャリアに自ら終止符を打った元マンチェスター・ユナイテッド監督のアレックス・ファーガソン監督やアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督を模範として挙げた。監督の就任年数とクラブの安定が密接に関わっている事を指摘した。

 プレミアリーグでは、過去2年間で20人の監督が解任され、現在の監督のうち2シーズン以上指揮しているのは3人のみ。ヴェンゲル監督の17年半という就任年数は、他の19クラブの監督の合計就任年数よりも長いという計算になる。

 マンU前監督のファーガソン氏も、自身の後任にモイズ監督を選んだ際、「安定は成功をもたらすが、成功するためには安定を得る時間も必要だ」と述べており、たとえモイズ監督が成績不振に陥っても時間を与え、支援し続けるスタンスを取っている。

 ベバン氏の改革案がいつから実施されるかは不明だが、現代サッカー界には伝統を無視した投資家による性急な監督解任が横行しているだけに、早急な改善策が求められている。

【了】

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