第二、第三のドログバは生まれてくるのか
20年来コートジボワールのサッカーを取材しているフランス人記者は「この国のサッカーの復興にはこの先10年はかかる」と悲観的ながらもこう断言する。
「この国の経済は現在、壊滅的な状況にあるが、それでも政府はサッカーにかける金は持っていて、自国サッカーの復興のために使う用意がある」
前述したユース大会を運営しようという予算も意気込みも、彼らには残されているというのだ。
「彼らが出世しようと思ったら、宝くじを当てるか、サッカー選手になるかしかない。その勢いで打ち込んでくる彼らの真剣さは並大抵ではない」
これはアフリカ系の若手選手を多く抱えるパリ・サンジェルマンのユースコーチの言葉だ。
輝く象牙海岸には、磨けば光沢を増す素材はたくさんある。
あとは、ソル・ベニアカデミーのような、まっとうな育成センターが機能すれば、第二、第三のドログバ、トゥーレは必ず輩出される。そのことを祖国にアピールするためにも、コートジボワールは次のブラジル大会で気を吐くことだろう。日本代表は、注意が必要だ。
【了】
全文は『サッカー批評issue66』にて、お楽しみ下さい。