広島と代表。同じ3バックでも違いが
「広島の3バックはボールを持って攻められた場合は、両サイドハーフがDFラインに入って5枚の形になって守るけど、代表はサイドハーフの1枚が入る。最大で4枚ですね。そして相手にサイドチェンジさせないことが非常に大事になってきます。
広島の時は3バックが攻撃参加しますけど、代表ではしない。その違いもあります」と槙野自身、頭では理解しているのだが、動きがどうしてもギクシャクしてしまう。
「ポジショニングの違いについては誰もが戸惑うと思うし、頭と体で理解しないといけない。でもグランドに立つのは僕ら。臨機応変にやりたいと思います」と少しでも前向きに割り切ってプレーしようとしていた。
チャリティマッチでは後半頭からピッチに立ち、3-4-3の左サイドハーフに入った。相手がJリーグ選抜ということで、槙野は積極的な攻撃参加をしかけるが、得点には至らない。
ザック監督は後半16分から4-2-3-1に戻し、槙野は左サイドバックに移る。このポジションで30分ほどプレーしたが、肝心の3-4-3の実践はほとんどできず、本人としても不完全燃焼感が強かったのではないか。
その分、6月のペルー・チェコの2連戦に賭ける思いは強かっただろう。このシリーズでも、3-4-3の時は主に左DF、4-2-3-1の時は左右のサイドバックと幅広い役割を求められたが、槙野は持ち前の明るさを忘れず、どんな要求にも懸命に応えようとしていた。
特に3-4-3の左DFに入る場合は、左サイドハーフにいる長友佑都、左FWに入る岡崎慎司をどう動かすかが肝心だ。槙野はそのことを頭に思い描きながら、トレーニングにまい進した。
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