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「『見る眼がない』と散々に言われた」。当時の育成担当者語る、本田圭佑がガンバユースに上がれなかった理由

text by 飯尾篤史 photo by Kenzaburo Matsuoka , Kazhito Yamada / Kaz Photography

「いつも『俺は家長に負けてない』と言っていた」

 本田がどのようにして折れないメンタリティや考える力を身につけていったのかは、分からない。要因はひとつではなく、いくつもが絡み合ってのことだろう。

 幼い頃に両親が離婚したという家庭環境。祖父母と父親による教育方針。兄という見本であり、ライバルが身近にいたこと。いつも兄や兄の友達といった年上と競争してきたこと。ガンバ大阪のアカデミーが質問形式の指導スタイルを取り、選手に考えさせてきたこと……。

 ユースに昇格できなかったという悔しさを味わい、プライドを打ち砕かれたことも、強烈なリバウンドメンタリティを育んだに違いない。

「ユースに昇格できなかったのは、相当悔しい出来事だったはずです。いつも『俺は家長に負けてない』と言っていたからね。でも、高校1年になるということは、大人への第一歩を踏み出すことやから、自分で考えなければいけない。

 壁にぶつかってガツンとやられた選手の道は、ふたつしかないんです。自信をなくしたり、ふて腐れたりして別の道に行くか、悔しさを味わってもっと必死になるか。圭佑は後者の道を選んだ。自分に何が足りないか考え、大きく成長した。結果論ですが、良かったのかなと」

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