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香川真司 11年前

モイーズ監督は認めていないが――。香川トップ下起用がマンUの低迷を打破する理由

シリーズ:フットボール母国の神髄 text by 森昌利 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

フレッチャーの敬意。敵将ラウドルップも称賛

 しかし、体調が戻った香川が適材適所のトップ下でプレーした場合、リーグ戦でも十分効果的な選手であることは、この試合でまた証明されたと思う。

 そのことはこの日、オールド・トラフォードに駆けつけた7万人以上のマンチェスター・ユナイテッドのサポーターが一番理解していた。

 スウォンジー戦の後半に入り、いいプレーが続いた香川に対し、観衆が反応しはじめた。26番がボールを持つ度にスタジアムが期待で揺れた。そしてそのファンの思いは日本代表MFにもしっかり伝わった。

「後半はホームの雰囲気も良かったです。しっかりとしたパフォーマンスを示すことで、サポーターからの信頼であったり、雰囲気っていうのは作られていくと思うので、そういうのも含めて、サポーターを味方につけるのも自分次第だなと思います」

モイーズ監督は認めていないが――。香川トップ下起用がマンUの低迷を打破する理由
香川の存在感は、敵将の目にも留まる【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 試合後、今季ではめずらしく、晴れ晴れとした顔で香川はそう語ったが、これがプレミアのビッグクラブでプレーする醍醐味なのだろう。超満員のスタンドが文字通り自分の一挙手一投足に注目し、喝采する。

 この日、長い難病との闘病生活から復帰し、最近では先発にまで戻ってきたダレン・フレッチャーは、「シンジがトップ下に入って、チームが良くなった」と話し、試合後まず真っ先に香川に敬意を表した。

 そんな香川の存在感は、敵将の目にも留まる。試合後デンマーク人知将のラウドルップ監督は、マンチェスター・ユナイテッドの選手陣からヤヌザイ、バレンシアとともに「香川が素晴らしかった」と褒め、NO.10ポジションに入った日本代表MFの力を認めた。 

 ところが、問題はモイーズ監督だ。

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