やりがいのあるマネージャーの仕事
私がマネージャーの仕事を楽しく感じるようになったのは、高校2年生から。後輩がマネージャーとして1人入ってきて、私にとって彼女はかわいい“妹”になった。彼女となら、辛いマネージャーの仕事もこなすことができた。
3年生になるとマネージャーの後輩が2人増えて、仕事を教えながら、うまく分担できるようになっていた。
それに私には力強い“仲間”がいた。同じ学年の部員たちだ。彼らは私をチームメイトとして受け入れてくれた。
「さっちゃん、今日もありがとうね。次の試合、絶対に勝つから」
笑顔で話しかけてくれる。グラウンドを離れても、いつも一緒にバカ話をしたり、将来の夢を語り合ったりしていた。お父さんには内緒だけど、恋愛の話も(笑)。
私は1年生のときから、みんなが載っている新聞や雑誌の記事を全部切り取って保管していた。3年生の夏ぐらいから進路を決めなきゃいけないとき、これまでの活動についての資料が必要になる。
事前に準備をしている部員なんていないから、この時期になると「どうしよ、どうしよ」って困る部員が多くて、そんなときにこの冊子を手渡すと、みんな大喜びしてくれる。サッカー部の先輩にも渡していたし、同級生にも渡してあげた。
いつしか私は、みんなの中で“お母さん”みたいな存在になっていたみたい。“お姉ちゃん”くらいが良かったんだけど、みんな子供だから仕方ないよね。みんなの笑顔を見ることが、私にとっての幸せになっていた。
そして、お父さんとも長い時間を一緒に過ごした。練習中や試合では厳しかったけど、合宿や遠征先での宿舎では、父と娘の関係に戻って親子の会話をたくさんすることができた。
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