裏目に出たマッツァーリ監督の方針
本田のミラン移籍フィーバーに沸く日本、そしてミラノ。ダービーがインテル長友との日本人対決となり、地元紙では本田の入団発表記者会見を受けて彼のインタビュー記事が出るなど、今から注目度は高まっていた。
そのダービーは、5月の後期日程を待つまでもなく、実はコッパ・イタリアの準々決勝で実現する…はずだったのだが、本田の出場の有無を議論する前に実現が不可能になった。インテルがウディネーゼに負けたのだ。
インテルはメンバーの多くを入れ替えた。リーグ戦で多くスタメンを張っていた主力は長友とカンパニャーロのみしかスタメンにはいない状況だった。そしてそのメンバーは、若手中心で構成したウディネーゼの前に大苦戦をしたのである。
猛烈なプレスの前にラインが上げられず、攻撃に回っても相手の方が常にカバーが早い。優秀な若手を世界中からスカウトし、育てて売る育成型クラブの面目躍如で、それぞれが溌剌と動き戦術にも忠実にしたがっている。
それに引き換え、インテルは常にもたついていた。スタメンのうち実に6人が30歳オーバー、しかも連係も成り立たない。オートマチズムの構築を重視し、ターンオーバーを嫌う傾向のあるマッツァーリ監督の方針は、この日は裏目に出ていた。
【次ページ】長友は久々の4バックの左SBでプレー