背番号11は永久欠番に
エクアドル代表にとって永遠に忘れられることはないであろう出来事は13年の7月に起こった。南米予選で4得点を記録していたFWのクリスティアン・ベニテスが心停止により27歳の若さで亡くなったのだ。
特に親しかったというキャプテンのアントニオ・バレンシアは「兄弟よ、なぜ今なんだ?…君はずっと僕の兄弟だ」と自身のTwitterで哀しみを表した。エクアドル協会はベニテスが背負った11番を永久欠番にすることを決めたが、コロンビア人のルエダ監督はこの偉大なエースの代役を探しださなければならない。
ベニテスと2トップを形成してきた大型ストライカーのカイセドは健在だが、所属のロコモティフではジョーカーの立場に甘んじ、しかも3月まで試合が無い状態。南米予選の終盤戦でベニテスの代わりにカイセドと2トップを組んだエンネル・バレンシアは、時折キレのあるドリブルを見せるものの、3試合で無得点とフィニッシュに大きな課題を残した。
他にもハイメ・アジョビ、ロハス、ゲロンなど才能のある候補はいるが、目下好調のストライカーが皆無で、ルエダ監督としても悩ましいところだろう。そもそも南米予選は標高2850メートルの首都キトで地の利を活かし、ホームで無敗を誇ったことが突破に直結した。
一方でアウェーは3分5敗に終わっており、南米開催とはいえ特別なアドバンテージの無い本大会で勝ち点3をあげるのは容易ではなさそうだ。
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