「スポーツ界の同性愛議論を前進させるべく」【写真:goal.com】
元ドイツ代表のトーマス・ヒッツルスペルガー氏が、ドイツ『ツァイト』の中で、同性愛者であることを告白した。
バイエルン・ミュンヘン下部組織出身のヒッツルスペルガー氏は、2000年にアストン・ヴィラに加入し、プロ選手としてのキャリアの前半をプレミアリーグで過ごした。2004年からはドイツ代表に選出され、2006年ワールドカップ、EURO2008もメンバー入りし、A代表のキャップ数は52試合としている。
2007年にシュトゥットガルトでリーグ優勝に貢献した後、ラツィオ、ウェスト・ハム、ヴォルフスブルクと移籍を繰り返し、2012年10月から昨年夏までエヴァートンに所属。以降、フリーとなっていたヒッツルスペルガー氏は、昨年9月にケガを理由に現役から引退した。
そのヒッツルスペルガー氏が、母国のメディアでゲイであることをカミングアウトした。現在コラムニストを努めるヒッツルスペルガー氏は、近年になって自身の嗜好を自覚したとし、「男性と生きる方が良いと分かった」と話している。
ヒッツルスペルガー氏は「プロアスリートにおける同性愛についての議論を前進させたい」とカミングアウトしたとのこと。サッカー界では同性愛が「単に無視されている」とし、「イングランド、ドイツ、イタリアでは、同性愛は真剣な問題ではなかった」と述べている。
同氏は「20人の男がテーブルで飲んでいるんだ。想像してくれ。自分をマジョリティーにしなければいけない。まあまあ面白いジョークで、同性愛に関する発言が侮辱的すぎなければね」も語った。
なお、ヒッツルスペルガー氏は、ドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督やチームマネジャーのオリバー・ビアホフ氏にも、同性愛について伝えていたとしている。