傑出した守備力。GKエニュアマ

　いま欧州の主要リーグで最も充実しているGKは誰なのか？　それはナイジェリア代表のエニュアマではないか。2010年W杯では最終的にグループリーグで敗れたものの、驚異的なセーブ率で世界を驚かせた。

　その守護神は今季、フランスのリールで鉄壁の守備陣を背後で支えながら、度重なるビッグセーブを披露。リーグアン無失点記録を更新するなど前半戦19試合を終えて8失点だ。

　ナイジェリア代表ではアフリカ2次予選と最終予選を合わせた8試合でも喫した失点は４。反射神経に優れたアフリカ人GKは少なくないが、ここまでポジショニングやハンドリングに正確性を感じさせる選手は非常に稀だ。

　本大会においてもエニュアマの神懸かり的というより、常に神を宿している様な好セーブがナイジェリアを何度も救うことになるだろう。

　もちろんディフェンスはGK1人でするものではない。若きセンターバックのオルメオとオボアボナの奮闘、そしてセルティックで堅守の要を担う右サイドバックのアンブローズの安定感も光る。

　特にアンブローズはセンターバックの経験も豊富で、他国に比べるとコンパクトさには欠ける布陣にあって、卓越したバランスワークとカバーリングで守備レベルを引き上げている。