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あなたが観ている試合には“台本”があるかもしれない(中編)

text by デクラン・ヒル photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Masahiro Nagasawa

日本代表の試合で行われた八百長

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ユベントスのコンテ監督も八百長スキャンダルに巻き込まれた過去がある【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 アジアにいるフィクサーたちの狙いは何か? 彼らも馬鹿ではなく、自国のリーグで成功したのと同じことをヨーロッパのリーグでもしようとしている――つまり、サッカーを腐敗させることだ。フィクサーたちは現在、ヨーロッパや北アメリカに上陸し、地元の犯罪組織と手を結んでいる。両者にとって理想的なパートナーだ。アジアの犯罪組織はチームや選手たちに近づくことができ、地元の犯罪組織は、儲かるアジアの賭博市場に参入できる。

 近年、サッカー界で八百長スキャンダルが起きた国はかなりの数にのぼる。その一部だけでも次のような長いリストになる。

 トルコ、ギリシャ、ベルギー、スイス、ドイツ、オーストリア、クロアチア、スロバキア、チェコ、ポーランド(マレーシアの件と同じように、閣僚の一人が試合の70%以上は八百長だと推定した)、ロシア、ルーマニア、ブルガリア、マケドニア、キプロス、マルタ、イタリア、イスラエル、ボスニア、フィンランド、ポルトガル、香港、中国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ジンバブエ、南アフリカ、ナイジェリア、ホンジュラス、エルサルバドル、韓国。

 日本も他人事ではない。アテネオリンピックのグループリーグで、日本、パラグアイ、ガーナ、イタリアが同組だったが、ガーナのステファン・アッピアー選手はパラグアイ戦で金を八百長フィクサーから受け取ったと認めた。日本戦でもガーナ代表が八百長に関わったと証言されている。もちろん日本側は八百長には関わっていないが、ガーナ関係者が八百長をしたと証言しているのだ。これはつまり、相手が八百長に加担していれば、真剣勝負をしている選手たちの努力が全く意味のないものになる可能性を示している。

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