何よりもスポーツを深く愛する者として…

　しかし根拠となっているのは、こうした取材だけではない。オックスフォード大学で博士号を取得するための研究として、スポーツにおける八百長試合と、そうでない試合を比較した広範囲にわたる統計データを集め、分析した。また、八百長に協力してほしいと誘いを受けた選手についても、協力したにせよ協力しなかったにせよ、徹底して調査を行った。

　現在20の言語に翻訳されている『黒いワールドカップ』を出版してから、私は国際オリンピック委員会（IOC）やフランス・ストラスブールでの欧州評議会の会議、またその他数多くの国際的なスポーツ機関に呼ばれ、証言してきた。また、スイスのローザンヌに本部を置くスポーツアコード（組織）のために、八百長対策教育プログラムを構築した。そのプログラムは現在、インターポール（国際刑事警察機構）やFIFAでのアスリート養成のために採用されている。

　私は調査報道ジャーナリストとして、また大学の研究者として、教育者として、そして何よりもスポーツを深く愛する者として、いかなる利害関係からも独立した立場で八百長問題を追い、真実を伝えている。