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あなたが観ている試合には“台本”があるかもしれない(前編)

日本にとっても決して他人事ではない

 かなりセンセーショナルな話なので、多くの読者は「一体お前は何者なんだ? よくこんなでたらめが言えるな」と思うかもしれない。日本の読者には考えられないような内容だろうから、私の主張の根拠をお話したい。

 その多くは読者にとって初耳で、まったく信じがたいだろう。しかしすべてがまぎれもない真実であり、今日のあらゆるスポーツは、とんでもない深刻な脅威にさらされていると断言する。それは日本にとっても決して他人事ではないのだ。

 私は調査報道を行うジャーナリストで、国際的に数々の賞を受賞する機会にも恵まれた。自著『黒いワールドカップ』を執筆するために5年以上にわたって八百長について調査を行い、スポーツ界の220人以上にインタビューを敢行した。

 選手、審判、コーチ、スポーツ機関の関係者、警察、検察、ブックメーカー、プロのギャンブラー、そして最も重要である八百長フィクサー(八百長の段取りすべてを取り仕切る人物)たちにも接触した。私は世界各地の八百長フィクサーから、彼らの手口について話を聞いた。

 アジアのあるフィクサー集団は、2006年のW杯ドイツ大会で八百長を仕組むためにコーチ陣や選手と接触して行われた「打ち合わせ」に私を同席させてくれた。私は、ひそかに録音機器を持ち込んで、やり取りの証拠を残した。

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