環境面では有利なチリ
前回大会に植え付けられた“ビエルサイズム”は同じアルゼンチン人のサンパオリ監督が率いる現在にも継承されている。高い位置からハイプレッシャーをかけ、最終ラインはラインを押し上げながらも相手ストライカーをマンツーマンで封じ込める。そしてボールを持てば、素早いボール運びと流動的なコンビネーション・プレーで相手ゴールに迫るスタイルだ。
前線にバルセロナのサンチェス、中盤にユベントスのビダルというワールドクラスを擁し、“名脇役”のメデルとイスラが後方とサイドを固める。特に2試合目と3試合目は比較的涼しいリオとサンパウロで行われることもあり、チリらしいアグレッシブでエネルギッシュなサッカーを展開するはずだ。
システムは[4-3-3]と[3-4-3]の併用だが、本大会はグループリーグの相手が全て1トップを基本とするため、[4-3-3]をメインに戦うことが想定される。
前回王者スペインと準優勝のオランダという“ファイナリスト2カ国”と同じB組に入ってしまったが、勝機がないわけでは決してない。南米大陸、しかも隣国のブラジルで戦えるメリットを活かし、持ち味を最大限に発揮して欧州の大国を撃破したいところだ。
B組では3番手に位置付けられるチリだが、“2強食い”の可能性は決して低くなく、スペインとオランダにとっても不気味な存在として認識されているだろう。もちろんチリとしてはひと泡吹かせるだけでなく、2大会連続のグループリーグ突破を果たしたいところ。そのためにはオーストラリア戦をしくじらないことが重要だ。