「自分を使ってくれた監督に感謝」
記念撮影を終え、駆けつけたサポーターに熱心にファンサービスを行っていたのが、今シーズン限りで現役引退を表明していた伊藤宏樹だった。川崎フロンターレでは13年もの長きに渡ってプレーした彼は、22日の天皇杯・鳥栖戦にも先発出場している。
コンディションは万全ではなかったそうだが、前後半90分に加え、延長戦前半終了までの105分間、ピッチに立ち続けた。試合後には、「自分を使ってくれた監督に感謝したいですね。最後は、身体がボロボロでした」と満身創痍でのプレーであったことを明かしていた。
クラブの功労者に対しては、風間監督も「最後、『使ってくれてありがとうございました』と言われたけど、本人には『必要だから使っただけだよ』と言いました。宏樹もそうだけど、ウチはベテランが素直。マジメにやってくれるからベテランでも伸びていく。そこはウチのカラーだね」と賛辞の声を惜しまなかった。
なお伊藤宏樹と言えば、その代名詞となったのが“川崎山脈”のフレーズだ。関塚隆監督時代、箕輪義信、寺田周平と構成した3バックは、平均180センチ以上の長身ディフェンスラインだったため、“川崎山脈”の異名を取っていたのだ。
この“川崎山脈”というフレーズ、本人としては当時どう思っていたのか。伊藤は「あの中で自分だけ低いでしょ」と苦笑い。箕輪義信は187センチ、寺田周平は189センチと185センチ以上あったため、183センチの伊藤宏樹は、自分が“山脈”を名乗ることに若干の引け目もあったという本音を、最後に明かしていた。
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