「ザックさんのサッカーはある程度のことは理解できた」
「マサさんと組むのは初めてだったけど、マサさんが強いんでね。どっちが行ってどっちかがカバーっていうのを徹底してやって、両サイドの、どっちかが行く時は合わせる形でやってました。
延長になってからはそんなにリスク背負わずに弾くだけでいいよっていう話はしました。守備は急によくなるものでもないし、もっともっとやっていくしかない。だけど、今回に限って言えば、しっかり我慢できたと思います。
ザックさんのサッカーはある程度のことは理解できたかな。でももっともっと詰めていく必要があるし、コミュニケーションの部分でどっちが行くとかハッキリしないといけないところは詰めていくしかないですね。1ヶ月、密に練習できたのは大きかった。
僕自身は基本的にもっと競り合いに強くならないといけない。強い相手に対してどう守るか、どう相手を疲れさせるか、どうビルドアップするかっていうのはすごく勉強になったし、相手の体が強い分、守備では頑張らないといけない。
個人的には全然競り勝てたとは思ってないんで、自分のところに入ったらボールを前に運ばせないくらいの選手になりたいですけどね」と吉田はチームと自身の課題と方向性を明確に見据えていた。
このアジアカップが代表DF・吉田麻也の確固たるベースになっているのは間違いない。彼の戦いはカタールの地から始まった。
現在の吉田は、サウサンプトンで出場機会にめぐまれず、またコンフェデ以降は度重なるミスもあり、評価が高いとは言えない。このままの状態であればレギュラーの座を失う可能性すらある。
ただ、それは本人が一番理解していることだろう。なぜなら、彼自身ももともとはポジションを約束された選手ではなく、厳しい競争を勝ち抜いてその座を奪ったからだ。国内では「闘莉王待望論」もある。それを打ち消すのは吉田自身のパフォーマンスにかかっている。
【了】