引退してすぐ要職に就くのは珍しいケース
日本では現役引退後、指導者の道に進むのがもっとも多いパターンで、岡野ほどの知名度がある選手が引退後即クラブの要職に就くケースは珍しい。
日本で知名度を誇る選手が現役引退後に即クラブの要職に就任したケースはというと……古い事例では、古河電工でプレーした奥寺康彦氏が引退直後に、Jリーグ入りを目指すクラブのGMへ就任したケースがあるが、その他にはなかなか見当たらない。
指導者などを経てからクラブの要職に就いた代表的な人物はといえば、今西和男氏、植木繁晴氏、柱谷幸一氏などの名前が挙げられる。
最近では野々村芳和氏が解説者などを経てコンサドーレ札幌の社長に就任したが、日本サッカー界では新たな動きとして注目されるほど少数派だ。
海外では有名選手の引退後即フロント入りの可能性を報じられる有名選手は数限りなく、近年では、晩年プレーしたアンジ・マハチカラからロベルト・カルロス、FCバルセロナからエリック・アビダル、インテル・ミラノからサネッティ、などなど例を挙げればキリがない。
実際現役を引退したあとにフロント入りを果たして辣腕をふるう人物は、現バイエルン・ミュンヘンのウリ・ヘーネスGM、インテル・ミラノのマルコ・ブランカTD、ACミランでかつてレオナルドがゼネラルセクレタリーとしてスカウトやエージェントをこなした例などが有名だ。
岡野GMは、日本サッカー界のみならずアジアや海外にも幅広い人脈や厚い人望を持つことでも知られる人物だ。
あの『ジョホールバルの歓喜』のVゴールで日本サッカーの未来を切り開いたように、鳥取を成功へ導き、Jリーガーの引退後の新たな道を切り開いてほしい。
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